今の欅坂、次の欅坂 二期生お見立て会を受けて

彼女たちは今の欅坂に合うのか?これは愚問である。なぜなら、彼女たちが今の欅坂に迎合する必要は皆無だからである。むしろ、合ってないほうが正しい姿であるともいえる。しかし、どうしてもこの問いを考えてしまう。それは、僕が懐古厨だからなのか、あるいは歳を重ねて保守的になってしまったからなのか。

 

上記の通り、私はこの新メンバー追加に懐疑的である。その理由。欅坂は21人の絆を大事にしてきた。それは単に数としての21人ではなく、石森虹花今泉佑唯...渡邉理佐の21人のメンバーを以てしてのものである。欅坂はメンバーが卒業しても、追加をすることなく進んでいってもらいたい。

 

欅坂を一筋のストーリーが貫いている。それは、「少女から大人への変化」。周りに合わせて何事もなくただ日々を過ごしてきた女の子は、ある日、自分のやりたいことと周りから求められていることの違いに気づく。意思を持った少女は自分の想いが達成されることを世界に対して求めるが、それは世界が認めてくれない。出る杭は打たれる。この世界で生きる者の定め、それは自分を殺し、周りと歩調を合わせることである。そして少女もいつしか疲れ果て、自分の意思を捨てて、大人になる。

 

サイレントマジョリティで始まった欅坂46。大人は信じてくれない、AM1:27、不協和音、エキセントリック、もう森へ帰ろうかなど。少女の葛藤をテーマにした曲が多く存在する。どんなに求めても、世界は冷たい。はぐれ者扱い。それなら一人でいいさ。そんな世界、こっちからお断りだよ。

 

その物語の主人公こそが平手友梨奈である。欅坂のパフォーマンスの凄みは、彼女が曲の世界観を実体験として持っているからであろう。2017年はまさに飛躍の年だった。

 

現在の欅坂は、そのフェーズを抜け、次の段階にいる。少女が大人を、世界を見直す。一人でいたいと思っても、一人じゃ生きてはいけない。そもそも、世界もそんなに悪いものじゃないんじゃないか。「ま、そのうち気づくわよ。大人になるってことは、近づいたり離れたりを繰り返して、お互いが余り傷つかずにすむ距離を見つけ出す、ってことに」

 

平手友梨奈は、自分が大人になることが怖いだろう。だからこそ、世界に反抗し続けることで、少女で在り続けようとしている。しかし、それはいつか無理が来る。そして彼女は同時に、自分が納得できる形で「大人」になる方法を模索している。

 

欅坂には素晴らしい楽曲がある。「世界には愛しかない」。平手が世界を受け容れる時、欅坂21人は真に一つになる。そして、この曲の本当のすばらしさを、世界に伝える義務があると、僕は信じている。

 

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だからこそ、二期生を追加するのはよくない。今のメンバーにもよくなければ、彼女らにも悪い。

 

何がいけないって、最近の運営からは、お金の匂いがすることである。合同オーディションというオーディションのお祭り化、吉本坂を坂道グループの一つとして新設したこと。欅坂からは商売臭を嗅ぎたくなかった!